春爛漫に思う事

今年は雨が少ない。2月にはローマに大雪が降る程の寒さだったのが、その後は異常なほど、イタリア中、良い気候が続いている。
先週も仕事とはいえ、トスカーナはアミアータ山麓に出かけていました。
地元のガイド女史によれば なんでもエトルスキ時代からそう変わりはないという素晴らしい自然の中に 櫻にプルーンにリンゴに桃と一斉に花々が咲き誇っていて それは美しい春爛漫。

今月22日は夫の4回目の命日、長い闘病の末に亡くなった彼は 何度も修羅場をかいくぐっていつも私の側に居てくれた。一人になって、どれほど彼の愛情が深かったかのか、わかるようになり 完全な看護をしようと自分だけできりきりしていたと思う。
今ようやく、このトスカーナの景色の中で彼が側に居てくれる様な気がします。

中年イタリア人のヴェネチアの休日

 中年の楽しみはなんだろう?  

まだ 夫婦とも大病を経験した事はなく 子供達は既に大きく、 自分達であちこち出歩く時間も、経済的なゆとりもある。で、ウイークエンドの一番の楽しみは?となると ここイタリアでは やっぱり食べること?


実際、我が友人達も友達と集まって料理大会というパターンは多い。特にイタリア男性の料理好きはなかなかのもので 料理で日頃のストレス解散!!とばかりに熱中する。

ヴェネチアに休日用の家を持つ彼らは 友達をさそって時折 週末にやってくる。 

まずはリアルトの生鮮市場へ出かけての買い出し。今回はそれは生きのいい大きなカレイとヴェネチア名物のアンテイ—チョークの新芽:カストラウーラを30個も買って来ていた。



おまけに午後は カストラウーラの出来る島、サンタラズモに行こう!という話しになったそうで そこでやり手の農家の親父に一本釣りにあい さらに60個ものカストラウーラを買って来ていた。



夕刻、彼らのアパートに到着した私は その量と魚の大きさに驚き、楽しそうに料理にいそしむ夫達の姿に 中年イタリアの幸せを見ました。

もちろん 妻達はワイン片手に談笑ですよ、ダーリン♥

リドの春

リド島にも桜が咲いて春がやってきました。
もう今日から夏時間ですから 春=夏。
この広場には 夫の車椅子をおして良く出かけた.今はまだ思い出が辛いのでなかなか通れませんが その内、、、って一体何時になるのでしょうね。
春に生まれて春に亡くなった彼を思い出します。

お茶の時間

かってはフェニーチエ劇場のバレリーナだったステファニアのお茶によばれた。
ヴェネチアのサンティッシモ.アポストリ広場にほど近い彼女のアパートのキッチンはプロバンスそのもの。窓から見えるヴェネチアの家々の屋根はちょっと面白いし 風がそっと吹き抜けるような空間はとっても居心地がいい、そして彼女はお料理が大得意!今日のお茶はちかくのお茶屋さんのアーモンドティ。そしてお菓子はオレンジとポピーシードのタルト。もちろん、彼女の手作り。
お菓子もお茶もお代わりしながら楽しい時が過ぎていく。
タルトのレシピ:24cm あらかじめバターを塗り、粉をはたいておく
125g ポピーシード
160ml オレンジを絞ったもの約3個分
185g バター(え〜そんなに入っているの?という我々の反応ですぐさま150gでも良いとお許しがでた)
110g砂糖
卵 2個
190g 薄力粉
ベーキングパウダー1/2小さじを合わせておく
オープン温度180度 45分+10分そのままオープンの中に入れておく。

ポピーシードにオレンジ果汁を加えふやかす。バターと砂糖を良く練りペースト状にする。バターに卵を加えて良く混ぜる、さらにポピーシードとオレンジ果汁を加えよく混ぜる。
最後に薄力粉を合わせてさっくり混ぜて 型に入れてオープンで焼く。さめたら粉砂糖をかけるのがこちら風。

帰り道

夕方一仕事終えてリドへ向かうのは 当然ながらバポレット。最近はヴェネチアっ子の友人の影響で中へ座らなくなってしまった。彼女は船室の中の人いきれが気持ち悪いという。
私は空気が滞っている感じが 気がついてみればあんまり好きではないようだ。
それに海風にあたってのミニクルージングは爽快だ。
進行方向と反対を向いて どんどん遠くなるサンジョルジョ島やサルーテを眺めていると
何も考えられず ただ、気持ちがほぐれて行く。